ライイングトライセプスエクステンションのフォームと肘を痛めないコツ
みなさんこんにちは。だいどー(@daido_fitness)です。
上腕三頭筋(二の腕の筋肉)は太い腕を作るために欠かせない筋肉ですが、あなたはどのようなトレーニングを行っているでしょうか。
上腕三頭筋はナローベンチプレスやディップスなどのプレス系種目で鍛えられますが、これらの種目では刺激しにくい部分があります。それは上腕三頭筋の長頭です(理由は後述します)。
今回は上腕三頭筋の長頭を鍛えるライイングトライセプスエクステンションのフォームとコツを解説していきます。
目次
ライイングトライセプスエクステンションとは
ライイングトライセプスエクステンションは、ベンチに上向きに寝た状態で、頭上にあるバーベルを天井に向かって持ち上げる上腕三頭筋のトレーニング種目です。
上腕三頭筋のすべてのヘッド(長頭、外側頭、内側頭)に効きますが、特に長頭への刺激が多い種目です。
上腕三頭筋の長頭を鍛えるポイントは肘の位置
上腕三頭筋は「外側頭」と「内側頭」そして「長頭」の三つの頭に分かれています。
外側頭と内側頭は肘関節のみをまたぐ(尺骨と上腕骨を結ぶ)単関節筋なのに対して、長頭は肘関節と肩関節をまたぐ(尺骨と肩甲骨を結ぶ)二関節筋です。
外側頭と内側頭はプレスダウンなど肘を曲げ伸ばしするトレーニングで十分鍛えることができるのですが、長頭は「肘を頭上に上げた状態で」曲げ伸ばししないとうまく鍛えられません。
今回紹介するライイングトライセプスエクステンションは、肘を頭上に持っていきながら肘を曲げ伸ばしする種目なので、しっかりと上腕三頭筋の長頭に刺激を与えることができます。
上腕三頭筋長頭に効かせるライイングトライセプスエクステンションのフォーム
ここではバーベル(オリンピックシャフト)を使ったトライセプスエクステンションを紹介しますが、ストレートバーを使うと長頭の活動が高まる代わりに肘が開きやすくなってしまうため、フォームが固まるまではEZバーを使った小指側がやや上を向く持ち方をオススメします。
トライセプスエクステンション60kg
力こぶの逆側の筋肉である上腕三頭筋のエクササイズ。太い腕を作るのに最適です( ´ ▽ ` ) pic.twitter.com/S2KNeMxxTz
— 久野圭一@パーソナルトレーナー (@hisano1012) 2018年4月6日
トライセプスエクステンションをオリンピックシャフトでやるとezバーを使った時よりも(回内といって)前腕を親指側に回旋出来ます。また、回内位だと肘が開きやすくなるので肘が開かないように締めるトルクが発生します。その肩の内転は上腕三頭筋長頭の機能なので活動が強まる、と考えてます。 https://t.co/smaIJm6MPx
— 久野圭一@パーソナルトレーナー (@hisano1012) 2017年8月29日
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- ベンチの上で仰向けになり、バーベル(EZバー)を顔の正面に構えます。
- 手幅が肩幅と同じくらい、親指をバーから外したサムレスグリップで握ります(バーを落とさないか不安な方はサムアラウンドグリップで行ってください)。
- 肘を閉じて、軽く曲げた状態からスタートします。
- バーを頭の上に持っていくように下ろします。
- 肘が開き過ぎないように注意しながらゆっくり下ろします。
- 下ろす位置、肘を曲げる角度は毎回同じにします。
- バーベルを上げて、スタートポジションに戻ります。
- このとき、下がった肘を元の位置に戻しながら肘を伸ばして、バーが孤を描くように上げていきます。
- バーは肩の真上まで上げるのではなく、顔の正面で止めるようにします。
- この動作を繰り返します。
- ベンチの上で仰向けになり、バーベル(EZバー)を顔の正面に構えます。
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ライイングトライセプスエクステンションの注意点と効かせるコツ
ライイングトライセプスエクステンションは上腕三頭筋がストレッチされたポジションで負荷がかかる種目であり、また、肘への負担も大きくなりやすいです。安全にトレーニングを行いながら効果を高めるためのポイントを解説していきます。
勢いを使って動作しない
バーベルの下りたボトムポジションでは、ストレッチされた上腕三頭筋に強い負荷がかかっているので、ボトムから勢いをつけて上げるのは危険です。また、下ろすときは丁寧に、そして上げるときもコントロールしながらあげるようにしましょう。
動作中やトレーニング後に痛みを感じた場合
肘に違和感を覚えたり、痛みを感じたりしたらフォームを見直すか、別の種目に変えましょう。フォームだけでなく、他のトレーニングで肘の関節を酷使していないか、休息は足りているか、といったプログラムも見直しも有効かもしれません。
肘の開く角度をできるだけキープする
セットの終盤できつくなってくると、バーベルを持ち上げようとするために肘が開きやすくなります。(解剖学上、肘を全く開かずにバーを下ろすのは難しいため、多少の開きは問題ないですが)肘が開きすぎるとプレスの動作に近くなり上腕三頭筋長頭への刺激が弱くなってしまうので、最後まで肘の角度を保つようにしましょう。
手首を寝かせる(掌屈させる)
バーから親指を外したサムレスグリップにすることにより、手首を寝かせながら(手のひらを床と平行に保ちながら)肘を曲げ伸ばしすることができます。手首を寝かせながら動作すると上腕三頭筋の腱(筋肉と骨を結ぶ組織)への負担を減らせるため、必ず意識しておきたいポイントです。
重量と回数
初心者のトレーニングプログラムでは基本的に可動域を広くとり、8~12回で限界になる重さ(8RM~12RM)でトレーニングすることをオススメしていますが、上腕三頭筋は高重量に反応しやすい羽状筋のため、6~8回で限界になる重さ(6RM~8RM)の高重量を扱うと筋肥大に効果的だと考えられます。
トレーニングメニューの組み方についてはこちらの記事で紹介しています。合わせてご参照ください。
https://www.keyfittokyo.com/training-guide-for-beginners/
まとめ
ライイングトライセプスエクステンションはストレッチされた上腕三頭筋に強い負荷をかけられますが、同時に肘の負担も大きくなりやすい種目です。高重量を扱うことも大切ですが、ケガをしてしまっては本末転倒です。1セットずつフォームにこだわって丁寧にトレーニングしましょう。
また、上腕三頭筋は胸や肩のトレーニングでも使われるので、オーバーワークに気をつけてルーティーンを組むようにしましょう。
手首の負担が気になる方にはリストラップがオススメです。
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